私たちの酢造り
こだわり
「お酢」
と聞いて思い出すのは「米酢」「穀物酢」「りんご酢」「黒酢」などでしょうか。
お酢には様々な種類がありますが、どの酢もまず最初に「酒」を造るところから始まります。
酒造り工程①(麹(こうじ)造り)

図1

図2
酒造り工程②(原酒造り=アルコール発酵工程)

図3

図4

図5

図6
お酢造り工程①(酢酸(さくさん)発酵工程)

図7 酢酸発酵室(静置発酵室)

図8 酢酸被膜(さくさんひまく)
アルコール発酵から酢酸発酵が終わるまで、
最低でも約3か月の期間がかかります
 (静置発酵法の場合)
お酢造り工程②(熟成工程)

図9

図10
酢酸発酵終了後、最低3か月は熟成期間をおきます。(図9)(図10)
この熟成期間をとる事で、香りがよくなり、酸味もまろやかになります。
「昔ながらの酢造り」

上記の工程のように「お酢」を造るためには、まず「酒」を造るという大仕事があります。
しかし、この方法は全国のお酢屋さんが当たり前に行っている方法ではありせん。
大量に、安く造るためにはあまりにも手間がかかりすぎるのです。
しかし弊社では、米の精米から一貫して自社で行うことにより、全ての工程に目が行き届き、確かな品質をお客様にお約束できる事を重視しております。
また弊社では、米酢の酢酸発酵の過程を、昔ながらの発酵法【静置発酵法(せいちはっこうほう)】で行っています。
静置発酵法はタンク表面の酢酸菌が
約3か月の時間をかけて自然にアルコール分を
酢に変えていく方法です。
「自然に」といっても、放っておけばいいわけでありません。安定した品質を保つためには職人の厳密な温度管理等、発酵の様子を見極める経験の積み重ねが必要となります。時間と手間、一朝一夕に行えるわけではない受け継がれた技術が必要となります。
「一定の製造量を効率よく得る」という事を第一に考えた場合、静置発酵法はまったくその目的を果たせません。そこで行われるのは機械によって強制的に空気を送り込み、どんどん発酵をすすませる「速醸法(そくじょうほう)」という方法です。酢酸菌は好気性の菌で、空気に触れる面のみで発酵します。「静置発酵法」は液表面しか空気に触れないため液面のみで発酵が進み、できたお酢が自然に下方へ対流する事で新たな液面部分が空気に触れ発酵してゆく・・・という流れです。それに対し「速醸法」は液体内すべてに空気を送る全面発酵ですので、「静置発酵」で最低でも3か月かかる発酵が、なんと数日間で終わってしまいます。
では、「速醸法」で造ったお酢は粗悪品でしょうか?いいえ違います。
「速醸法」で造った酢と「静置発酵法」で造った酢は、コスト面はさることながら、味にそれぞれの特長があります。
「速醸法」で造ったお酢は、キリッとした酸味が特長で、とにかく酢っぱいのが好き!という方に好評です。香りも強くないので、お酢独特の香りが苦手な方にもおすすめです。効率よく製造できるぶん安価でご提供できますから、野菜のあく抜きやぬめり取り、殺菌目的での使用などにも気軽にお使いいただける事でしょう。
「静置発酵法」で造ったお酢は、まろやかでツンとこない、旨みの濃い味が特長です。長期間に及ぶ発酵・熟成期間の間に、原料から有機酸を含む滋養成分が醸し出され、まろやかな味となるのです。肉や魚をお酢で煮る料理や寿し飯など、料理でお酢自体の味がとても重要になるものをお作りになる際、ワンランク上の出来に貢献する事でしょう。しかし、手間ひまがかかる上、大量生産の難しい「静置発酵法」の酢は価格が高くなります。
弊社では、時代のニーズにあわせた方法を取り入れつつ、伝統の製法を守り続ける事にもこだわって、健康的でおいしい食卓のお役に立ちたいと日々励んでおります。
是非一度ご賞味いただければ幸いです。
疲労回復効果:お酢と糖分を一緒にとると効果大!
体を動かすエネルギー源は、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンです。疲労回復にはこのグリコーゲンを補給する事が大事。筋肉中のグリコーゲンは糖の補給で回復しますが、肝臓のグリコーゲンは糖だけではほとんど回復せず、糖とお酢を同時に摂ることで補給されます。スポーツ選手にバーモントドリンク(お酢にはちみつをまぜたドリンク)の愛飲者が多いのもこのためです。
お酢は意外とアイスクリームなどのスイーツとも合いますから、上手に取り入れておいしく疲れを癒してもらいたいです♪
食欲増進効果:食事の最初に酢の物!
夏の暑い日、どうしても食欲が出ない・・・という時もお酢は私たちを助けてくれます!
酸っぱい物を食べると自然に唾液がで、連動して胃液が分泌される事で消化吸収を助けてくれます。ですから食事の最初に酢の物を食べると食欲がわき、消化も助けられ夏バテ対策にはもってこいという事になります。
また、お酢には、油の粒子を小さく分散する効果があるので、こってりした料理もあぶらっこさが和らぎ、さっぱりいただけるようになります。
カルシウムを引き出す効果:酢煮でおいしく無駄なく!
食品中のカルシウムは他の成分とがっちり結びついています。お酢には、そのカルシウムを引き出す効果があります。ですから骨付きの肉や魚を、骨付きのままお酢で煮るとカルシウムが煮汁に溶け出して、無駄なくカルシウムを摂取する事ができるのです。
高すぎる血圧を下げる効果:食塩のかわりとしてお酢を利用!
酢酸には血圧上昇に関わるホルモン調節機構を抑制する働きがあります。
高血圧の人を対象に、1日お酢大さじ1杯摂取し続けると、1か月半で明らかに血圧が低下し、大さじ2杯ではさらに早く効果が現れたという研究があります。(正常血圧の人がお酢を飲んで血圧が下がってしまう事はありません) また高血圧の大きな原因の1つが食塩の取り過ぎといわれます。お酢には塩味を引き立てる効果があるので、お酢を食塩の代わりに利用する事で減塩につながり、高血圧対策になるのです。
食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果:毎日大さじ1杯のお酢を!
お酢には糖の吸収をおだやかにする作用があります。食後は誰でも一時的に血糖値が上昇しますが、問題になるのは急激な上昇です。食事と一緒に大さじ1杯のお酢をとると血糖値の急上昇を防ぐ力がある事は科学的に証明されています。
抗菌効果:お料理にもお掃除にも取り入れられます!
酢には菌数を減らす「殺菌作用」と菌の増殖を防ぐ「静菌作用(防腐効果)」があります。刺身を酢に短時間浸すだけで抗菌効果がでますし、ご飯も少量の酢を入れて炊けば炊飯時の殺菌、保存時の静菌効果が期待できます。まな板や調理器具も、酢液に浸すと抗菌力がでます。
他にも魚の臭みをおさえたり、素材の色を鮮やかにしたりと、お酢はたくさんの場面で活躍するスーパー調味料なのです!
参考資料:全日本健康自然食品協会発行『けんこう333 ~小泉幸道先生に聞く~』